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令和6年度 東京研修(8/6~8/8)【3日目】

〈3日目〉

 最終日の3日目は上野にある国立科学博物館で研修を行いました。自然科学に関する膨大な展示を実際に見学しながら、歴史的な経緯や現在の研究の様子について学びました。

【3日間を通して生徒の感想より】

  • 今回、東京研修に参加することにより、自分たちの未来にはどのような可能性があるのかということを知ることが出来た。また、今回の研修で1番重要だと感じたことは、技術を発展させるだけでなくその技術をどう活用していくのかということである。どこまで応用させることができるのかを考えていくのがこの先に求められる力なのではないかと思った。
  • 先生方のお話を聞いているときに「面白い」という単語を2日間の中でよく聞いた気がします。世の中の役に立つものを、と研究をされている先生もおられ、やっぱり面白いから研究をする、というのが大きいのだと驚きました。科学博物館でも自分の知らなかったことを知れたし、今まで調べてことのなかった分野について、調べるきっかけにもなり、また多くを知ることができて楽しかったです。

令和6年度 東京研修(8/6~8/8)【2日目】

〈2日目〉

 2日目は東京大学浅野キャンパスにある地震研究所を訪問させていただきました。宮本成悟先生と西山竜一先生に素粒子物理学や最新のミューオンなどを用いた地震研究の手法についてわかりやすく説明していただきました。講義後の質疑応答では武多昭道先生にも生徒の質問に答えていただき、さらに理解を深めることができました。

【生徒の感想より】

  • ミューオンが通ったフィルムを見てもこの線が通った跡だとわかるくらいで、これを用いてどうしたら山の様子が分かるのだろうと不思議でしたが、重力の測定とミュオグラフィを組み合わせて3次元的に捉えることが今までに例がなく、画期的な発想であることだけは感じました。ミューオンが自然のものであることが、高エネルギーのミューオンを人工でつくりにくく、自由に調べるのが難しい原因だと分かりました。重力の測定に香取先生が研究されている光格子時計を使えたらというお話が出てきたときは新たな光格子時計の用途が生まれたと思いとてもワクワクしました。現在は可搬型ではあるもののまだ山に持ち運べるほどではないので進化に大いに期待したいです。また、ミューオンとニュートリノを用いて調べられる規模の中間を埋める物質の発見も楽しみです。
  • 地震や火山を研究している中で、ミューオンやニュートリノなどの素粒子に着目して研究にアプローチしているのがとても興味深かった。素粒子の透過力を用いて、立体的に火山の構造を調べるという方法はレントゲンなどの日常的発想に近いものから着想を得ていて、研究をするうえで自分が調べたい分野だけでなく他の分野からの取り組みも大切だと感じた。また過去の地震計を見せていただいたときには、アナログ的なものもあるが理にかなっているものが多く、その中で鉛筆の芯がなくなるのを防ぐために「スス書き式」にしてみたりと研究の中での課題を独自の方法で解決していて、研究には様々な知識や柔軟性が必要だと感じた。

 そして、午後からは駒場キャンパスⅡに移動し、大学院総合文化研究科の上野和紀先生による研究説明・施設紹介をしていただきました。超電導現象の実験を実際に見せていただきながら、大学院に進んだ際の博士課程や修士課程の仕組みについても説明をしていただき、生徒にとって大変有意義な時間となりました。

【生徒の感想より】

  • ヘリウム3が軍縮のせいで手に入らなくなっていると聞いて驚いた。研究にお金がいることは知っていたが、お金があっても手に入らないものもあるのだとわかった。研究職だけでなくその材料や生産、確保する人の方も注目すべきだと思った。機材や施設を実際に見させてもらえ、これまでの研究で一番イメージができた。また、見学している間も機械が自動で数値測定をしていると聞き、起動させたまま研修のために研究室をあとにしたのを見て、私達が大人になる頃には研究者は実験方法などを考えたり実験を注視しなくて良くなるのではないかと考えた。
  • 上野先生の研修では、物性物理学といわれている高尚な内容の研究について学ぶことができた。博士課程になるためには新しいものを発見しないとなれないと言われていて、博士になる難しさを身をもって知った。超伝導ダンスや地球儀の実験では、今まで見たことのない光景に心が踊った。

 2日目最後は、駒場オープンラボ内にある株式会社PhotoQ3の浜窪隆雄先生の研究室を訪問させていただきました。浜窪先生は細胞レベルでの構造分析や分子相互作用変化を解析することにより、がんや重症感染症などの新しい創薬を研究されています。浜窪先生から研究概要について教えていただいた後、実際に研究室を見学させていただき、研究員の方との交流も行いました。

【生徒の感想より】

  • 自分の事前研修の担当だったのである程度行っている研究については知ることが出来ていたが、行っている研究を実際に聞いていくと、なぜ光と抗体と毒を使うという発想に至ったのか、なぜ赤色のレーザーを使うのか、サポリン以外の毒性を持つ物質はないのか、なぜサポリンを使うのかなど、事前研修では分からなかったことを聞くことが出来た。iTAP法の完成にはまだ時間がかかるが、完成すればどのレベルのがんでも通用すると予想されることがわかり、今の医療ではできないことを可能にする可能性があることが分かった。バイオシス・テクノロジーズ社とPhotoQ3社の実験室を見学させて貰ったが、使われてる機器の多さや機能、値段に驚いた。
  • ベンチャー企業という最先端な考え方の企業について詳しく知ることができた。死の谷とダーウィンの海という苦難があることがわかった。ポルフィリンやヘムなどのある構造のときに光感受性色素は自ら発光せず、自分の色以外を吸収することがわかった。ラボではバイオマーカーを測定するのに、例えば肺をトリプシンで小さくしてペプチドサイズにし、それをプレパラートの上において見ることを知った。そのプレパラートには特別なケミカル処理がされており、それについて質問すると、企業秘密なことだといわれてしまったが、レーザーを当てると一瞬で蒸発するものと言われた。難しくて全くわからなかったが鋭い質問だといわれて嬉しかった。部屋にある機械には一億円もするものが沢山あり本当に驚いた。

令和6年度 東京研修(8/6~8/8)【1日目】

 8月6日~8日に、東京大学や国立科学博物館で最先端の自然科学研究に触れる「SSH東京研修」が実施され、1年生20名が参加しました。

〈1日目〉

初日は、東京大学浅野キャンパスにある工学系研究科の香取秀俊先生の研究室を訪問させていただきました。香取先生はセシウム原子時計を100倍以上凌駕する18桁の精度「光格子時計」の研究をされています。さらにそれを利用した応用技術の開発に取り組まれています。

 研究室見学では、香取研究室に所属している本校卒業生の竹内亮人さん(D2)も参加してくださり、大学院での研究の様子や高校時代の話など教えてくれました。

【生徒の感想より】

  • 私達の班は香取先生の研究を事前にレポートにまとめたのですが、事前研修から感じていたように原子を一つずつ収納していくというアイディアは本当にすごいと思いました。また、研究室で実際の光格子時計を見たのですが数え切れないほどの部品が所狭しと配置されていました。研究員の方から、一見乱雑に部品が置かれているように見えるが実は一つ一つ意味があるのだと教えていただき自分で構造を考える力も研究には求められるのだと知りました。あんなに大きな光格子時計を小型化するのは難しそうだと思いましたが、研究が進められているそうなのでいつか私達の身近に時計を持つことが可能になる日が来ることが楽しみになりました。
  • 原子時計もかなりの精度があるのに、より精度をあげられるように、より早く求められるようにとさらに上を目指し続け、光格子時計を開発したのが、探究し続ける大切さを表しており私も探究心をもっと大切にしたいと思わせてくれました。今までの探究活動では探究するテーマを決める際に、社会的意義・学術的意義を考えてから決定していましたが、香取先生がまずはサイエンスを楽しむ、それから意義や使い方の応用を考えていくことも大切とおっしゃていて、研究者としての新しい考え方を知ることができました。光格子時計について初めて聞いたときはすごいけどどう使うのかがあまりわかりませんでしたが、相対性理論の検証や地殻変動、潮の満ち引きなど様々な活用方法が期待できることがわかり、学問の分野のつながりは多種多様であることを改めて感じました。

「メディカルサイエンス」病院研修(津山中央病院インターンシップ)

令和6年8月8日(木)、

本校独自科目「メディカルサイエンスⅠ(MSⅠ)」の研修の一環として、津山中央病院のご協力のもと、インターンシップが行われました。

まずはじめに、ご担当の方から、

津山中央病院が地域に果たしている役割や、様々な医療設備・機器についてのご説明をしていただきました。

続けて、心肺蘇生法やAEDの使用法について、実技を交えて学習し、ドクターカーを見学させていただきました。

午前の部の最後には、G-Masterを用いた内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のトレーニングやエコー検査を体験させていただきました。普段目にすることがない医療機器の操作を実際に行うことができ、生徒にとって大変貴重な経験となりました。

午後の部では、さらにオペ室見学や、手術器具体験が行われました。

参加した生徒の一人は、

「今回のインターンシップで、医療へのぼんやりとしていたイメージがより具体的になった。」と語ってくれました。

この生徒に限らず、 参加した生徒全員にとって、医療へ 従事したいという思いをより強くする体験となったはずです。

この度は、ご協力いただきました津山中央病院の皆様、本当にありがとうございました。

令和6年度SSH生徒研究発表会(全国大会)

 8月6日~8日に、神戸国際展示場で行われたSSH生徒研究発表会に、氷筍班3名が参加しました。今回の参加数は、数学・情報32校,物理・工学44校,化学50校,生物(動物・医学)44校,生物(植物・農学)37校,地学24校で、合計231校がポスター発表を行いました。本校より参加した3名は、審査委員の先生に対してだけでなく、他校の先生・生徒へも丁寧にポスター発表を行いました。自作した装置の展示や氷筍ができる過程の動画が研究の内容を分かりやすくしたようで、大変好評でした。ステージ発表にたどり着くことはできませんでしたが、持てる力を精一杯発揮した良いプレゼンテーションでした。

 最終日の8日は、各分野代表校の発表を聴きました。どの分野にも共通していたのは、プレゼン技術が卓越していたこと,質問に対する受け答えが優れていたこと,粘り強く実験を繰り返すだけでなく、大学や企業の専門家の方の意見を取り入れたり、地域の方と交流を図り研究を知ってもらう努力を欠かさなかったことです。参加した生徒にとって学びが多かっただけでなく,課題研究を進めている2年次生,これから研究のテーマを設定する1年次生にとっても、伝えることが多くあると感じました。

 最後の全体講評の中で、研究内容は是非自分で見出し、粘り強く挑戦的に進めてもらいたい,と参加生徒全体に対して助言がありました。これからの本校の研究を進める際も、生徒の独自的で主体的な考えや態度を伸ばしていきたいと思います。

令和6年度 1年次生 卒業生と語る会 

 8月19日に卒業生と語る会が開催されました。本校卒業生の難関大、医学部医学科進学者6名に来校いただき、 1年次生の希望者38名が参加しました。

 大学でのキャンパスライフや研究内容、高校時代の勉強についてなど、実体験をふまえた話をしていただきました。 生徒は緊張しながらも意欲的に質問をする姿が見られ、充実した貴重な時間を過ごすことができました。

四校連携講座「地域創生学」成果発表会

8/6(火)、5日間にわたる四校連携講座「地域創生学」の最終日は、
午前に発表の最終準備、そして午後は成果発表会が行われました。
各分野のグループごとに、地域の課題に対する提言が行なわれ、
質疑応答の時間では、受講生からも積極的に意見交換が行われました。
受講生も5日間の学びを通して、大きく成長したと思います。

四校連携講座「地域創生学」【1日目】

今年度の四校連携講座「地域創生学」は7/31(水)〜8/5(火)の5日間、開講されます。

1日目は、開校式に続き、岡山大学の吉川先生の基調講演、菅原先生のグループエンカウンター、昨年度受講生からの説明、津山市からの説明、そして、班ごとのディスカッションというスケジュールでした。

2日目以降は、各分野に分かれてのフィールドワークや最終日の成果発表会に向けての準備をしていきます。

SSH遺伝子実習セミナーを行いました

7月23日(火)に3年次生の普通科・理数科の理系生物選択者を対象に津山高校SSH遺伝子実習セミナーを行いました。 岡山大学理学部生物学科の阿保達彦 教授に来校していただき、

「遺伝子発現制御実験:大腸菌ラクトースオペロンを例に」

という内容で講座を実施しました。

午前中に本日の実験の準備を行いました。まずは実験の概要説明を受けたり、使用する器具の説明を受けたりしました。

次に、大腸菌の培養です。オートピペッターで 野生株や変異株の大腸菌培養液を培地に加えていきました。そして振盪培養装置にセットして培養を開始しました。

午後からは、各培養液で酵素反応を行わせ、反応液の色を観察したり、実験結果から変異株の遺伝子型を推測したりしました。
最後に本日のまとめです。しっかりと実験内容を理解できたようです。

阿保先生、お忙しい中、貴重な講義や実験を行っていただき本当にありがとうございました。

【生徒の感想】 一部抜粋

今回のセミナーで自分たちで実際に実験してみて、変異型が何が変異してどうなっているからこういう結果が得られたというのを自分で考えたので、ラクトースオペロンに対する理解がもっと深まりました。人生で初めてピペットマンを使ったけど、自分たちが生物や化学で使っているピペットよりも性能が高くて、大学で研究している人みたいになれて嬉しかったし、大学生になったら自分で研究方法とかを考えて実験してみたいと思いました。

実験を始めたばかりの時は、何も意識することなく6本の試験官を用意していました。しかし、「ラクトースの黄色ではないかと言われたら反論できない」という言葉のように、結果を証明するためには条件を変えて様々な実験をする必要があると実感しました。教科書を見た時から、ラクトース分解物質によってリプレッサーが外れるということが不思議だったので、原理を知れて嬉しかったです。

教科書のようにきれいに実験結果が出ることは少ないと分かっていても、実際に実験をして自分の知識を組み合わせて考えることができたのはよかったと思う。また、教科書の色となぜ違って見えるのかでは培地の色が残っていたり、大腸菌が思ったより増えていなかったりといった原因が考えられ、なぜできなかったのかを考えるのも大切だと思った。

最後に先生が仰っていた最初のβ-ガラクトシダーゼの作られ方のお話について、リプレッサーの働きが100%ではないとのことでしたが、生物にとってはその機能が完璧ではないことも時には有用に働くことが分かり、とても印象に残っています。好きなことや興味あるものについて研究することはとても素敵だなと思ったので、自分の今後の学習を通して探していきたいと感じました。

理数科サイエンス探究Ⅱ 中間発表会を行いました

7月26日(金)に理数科2年次「サイエンス探究Ⅱ(課題研究)」の中間発表会を行いました。

SSH運営指導委員の先生方や課題研究指導の外部講師の方に参加していただき、物理・化学・生物・数学分野にそれぞれ分かれて計8グループが発表を行いました。研究内容や今後の方向性等について専門家の視点から様々なアドバイスやアイデアを頂き、とても充実した中間発表会になりました。

生徒たちは12月の課題研究発表会に向けて、より深い考察や分かりやすい発表を目指して今後も成長していきます。