7月23日(火)に3年次生の普通科・理数科の理系生物選択者を対象に津山高校SSH遺伝子実習セミナーを行いました。 岡山大学理学部生物学科の阿保達彦 教授に来校していただき、
「遺伝子発現制御実験:大腸菌ラクトースオペロンを例に」
という内容で講座を実施しました。
午前中に本日の実験の準備を行いました。まずは実験の概要説明を受けたり、使用する器具の説明を受けたりしました。
次に、大腸菌の培養です。オートピペッターで 野生株や変異株の大腸菌培養液を培地に加えていきました。そして振盪培養装置にセットして培養を開始しました。
午後からは、各培養液で酵素反応を行わせ、反応液の色を観察したり、実験結果から変異株の遺伝子型を推測したりしました。
最後に本日のまとめです。しっかりと実験内容を理解できたようです。
阿保先生、お忙しい中、貴重な講義や実験を行っていただき本当にありがとうございました。
【生徒の感想】 一部抜粋
今回のセミナーで自分たちで実際に実験してみて、変異型が何が変異してどうなっているからこういう結果が得られたというのを自分で考えたので、ラクトースオペロンに対する理解がもっと深まりました。人生で初めてピペットマンを使ったけど、自分たちが生物や化学で使っているピペットよりも性能が高くて、大学で研究している人みたいになれて嬉しかったし、大学生になったら自分で研究方法とかを考えて実験してみたいと思いました。
実験を始めたばかりの時は、何も意識することなく6本の試験官を用意していました。しかし、「ラクトースの黄色ではないかと言われたら反論できない」という言葉のように、結果を証明するためには条件を変えて様々な実験をする必要があると実感しました。教科書を見た時から、ラクトース分解物質によってリプレッサーが外れるということが不思議だったので、原理を知れて嬉しかったです。
教科書のようにきれいに実験結果が出ることは少ないと分かっていても、実際に実験をして自分の知識を組み合わせて考えることができたのはよかったと思う。また、教科書の色となぜ違って見えるのかでは培地の色が残っていたり、大腸菌が思ったより増えていなかったりといった原因が考えられ、なぜできなかったのかを考えるのも大切だと思った。
最後に先生が仰っていた最初のβ-ガラクトシダーゼの作られ方のお話について、リプレッサーの働きが100%ではないとのことでしたが、生物にとってはその機能が完璧ではないことも時には有用に働くことが分かり、とても印象に残っています。好きなことや興味あるものについて研究することはとても素敵だなと思ったので、自分の今後の学習を通して探していきたいと感じました。