「ナチュラル・サイエンス(NSⅠ)」・「メディカル・サイエンス(MSⅠ)」(2年次生対象)の第5回ワークショップを2月15日(土)に実施しました。
医療・工学の連携がますます重要視されている昨今にあって、まさにその分野を研究されている岡山大学大学院自然科学研究科(工学部)高分子材料研究室 内田哲也先生にご講演をいただきました。
講演内容は『ポリエチレンフィルムと光電変換色素を用いた人工網膜の実用化に向けた医工連携研究』と題して、岡山大学方式人工網膜の開発過程やご苦労を教えていただきました。先生は本校卒業生でもあり、生徒に対して進路や研究を志す上での重要な心掛けについてもお話しいただきました。講演後も生徒から多数の質問が出ましたが、丁寧に答えていただき多くの貴重なご助言を頂けました。講演後の生徒の感想からも、大変有意義な研修であったことが窺え、大変貴重な機会となりました。
【生徒の感想】(一部抜粋)
〇 今までは分類されて区切られた学問分野の中で学びを深めてきたけれど、今回の講演を通して、学問分野の垣根を超えた考え方をたくさん学ぶことができた。また、先生の研究には研究者の方以外にも多くの人が関わっていると知って、もっと視野を広く持って表面上は見えないものも見えるようにできるような力を身につけたいと思った。
〇 色素とポリエチレンの土台とをアミド結合で繋げているから、別の目的とか別の色素を使ったりとか色々と応用できそうだなと思いました。また、猿を用いた実験で人工網膜を入れても拒否反応がでなかったのもすごいと思いました。自分の目が見えていることに感謝して生きていこうと思いました。
〇 1つの分野だけで研究するのでなく、多様な学問分野での協働が新たなものを生み出すことを可能にするのだと分かった。大学に進んだ際にも、1つの分野の探究に留まらず、多くの分野に手を広げ、多角的な視点を有した人物を目指して学習していきたい。
〇 最も衝撃を受けたのは、本当に多くの人々が研究・実用化にむけて動いているということです。医工連携ということから、その2つの分野の方々はもちろん、医療として実用化するまでに至る道の中では書類作成をする方や網膜色素変性症の実際の患者の方々も関わっているということに、今まで私たちが受けてきた医療もきっとものすごい数の人々が協力して作ってくれたものなのだということを実感しました。