10月5日(土)のピースウィンズ・ジャパンの稲葉基高先生(本校理数科卒)をお迎えし,メディカルサイエンスⅠの第3回ワークショップを行いました。
ワークショップの中では,稲葉先生の高校時代や大学時代の話から外科医や救急医として働かれた経験,そして災害医療や紛争地域における支援活動に至るまで,たくさんのお話をしていただきました。
「医者として,専門分野にこだわらず,目の前の人のために何ができるかを考えることを大切にしている」
「ロールモデルのない人生も面白い」
「それぞれの人生のステージで目の前のことを一生懸命やってきたことがすべて今につながっている」
こうした稲葉先生が熱く語ってくださった医療従事者としての価値観や考え方そして人生観の中に,医療従事者を目指し,これから社会に羽ばたいていく生徒たちにとって非常に価値のある多くの気づきがあったはずです。
生徒たちはその気づきをきっと,今後の高校生活やこれからの人生で活かしていってくれるものと思います。
稲葉先生,この度はお忙しいところ,ご講演いただきましてありがとうございました。
最後に講演を聴講した生徒の感想の一部を紹介します。
稲葉さんの多様な経験をユーモアも交えて高校生の僕たちにもわかるように説明してくださり、とても興味をもって講演を聴くことができた。自分の生き方の決め方も教えていただき「ロールモデルのない生き方」をしてみるのも面白くていいと思った。特に、大人になれば正解かどうかわからないことのほうが多いから、自分で決断して目の前の問題を消化し続け、自分にあってなかったらやめる。それくらい行き当たりばったりでも楽しいのではないかと思った。
実際に災害医療チームや救急医として働く稲葉先生の話を聞き、決まり事や当たり前を守っていくことももちろん大切ですが、自分で今本当にやるべきことは何なのかを考え、決まり事に縛られず行動することの大切さを知ることができた。ですが、自分で考えて行動することには責任も伴うし、知識も必要なので、今の学校生活から知識を身につけ、責任感を持って行動することを意識していきたいです。また、リーダーとしてみんなをまとめられるようにいま必要なことを判断して行動できるような決断力も身につけていきたいと思いました。
私は自分ですぐに決断できない人だから、一つのことにとても時間をかけて悩むことがあるけれど、思ったらとりあえずやってみるということを聞いて私も挑戦できることは考えてやめるのではなく、やってみようと思った。
これまで多くの災害や戦争のニュースを見てきて、そこで活躍している人に焦点を当てた映像も見たことがあるが、そこからは伝わらなかった実際の困難や苦労を知ることができた。特殊な状況下で自分の命も危ない中で諦めずに支援を続ける人たちをより尊敬できるようになったし、これからそのような災害や戦争が起きた際に見えない努力や苦労を少しでも想像できるようになった。
稲葉先生の話を受けて、目の前のことに全力で取り組むことが最も大切だと思った。なりたい診療科も決まっておらず、悩んでいたが、質問した応答の中にあったその瞬間瞬間に集中し全力でぶつかることで自分にあった、得意がみつかり自分が納得する進路を選んでいけるのという言葉を胸に日々努力していきたい。また、高校は大学への助走ではないという言葉もとても心に残ったので、進路のことを真剣に考えられている今を幸せに思い、この瞬間を全力で楽しみたい。