3月28日(金)、大阪大学吹田キャンパスにて大阪大学研修を行いました。1年次生31名が本校OBである大阪大学工学研究科の赤松 史光 教授(燃焼工学)と高原 淳一 教授(応用物理学)の研究室を訪問しました。
▲フォトニクスセンターの見学
午前は大阪大学フォトニクスセンターを訪問し、高原先生の研究を紹介していただきました。高原先生は、光と物質の両方を扱う技術であるナノフォトニクスの研究をされています。メタ原子から構成される人工物質であるメタマテリアルによって特定の波長の光のみを散乱させることで、ナノスケールの領域に色をつけることができます。また、黒体放射を利用することで電気の供給なしに温度を下げることが可能になります。研究室訪問では実際の素子や実験装置を見学させていただきました。壮大な装置を前に、参加した生徒は驚きを隠せない様子でした。研修の最後には、事前学習や研修を通じての生徒一人ひとりの質問に高原先生が丁寧に答えてくださいました。生徒はこの時間を通して、高原先生の研究への理解を深めると同時に、サイエンスについての興味関心を高めることができました。
▲燃焼工学研究室の見学
午後は、赤松先生の燃焼工学研究室を見学しました。初めに赤松先生から、エネルギーキャリアや新たなエネルギー源として注目されているアンモニア燃焼についての研究紹介をしていただきました。お話の中では、科学的な話だけではなく、持続可能な社会の実現をテーマにした話もあり、一人ひとりが地球の未来のために何ができるかを考えるきっかけになりました。実際に研究を行っている施設もご案内していただき、アンモニア燃焼を実現するために工夫されている点などを教えていただきました。赤松先生が、「研究は必ず成果が確約されているものではないため大変なことも多いが、楽しいからこそ続けてくることができた。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
▲生徒の感想から
・今回の研修では大阪大学を訪問し、高原先生、赤松先生からご自身の研究内容などについて話していただきました。話を聞いて疑問に思ったことを質問することができたので、自信がつきました。話を聞くだけでなく実験室や機械を実際に見ることができたのは、よい経験になり、学んだことの理解が深まりました。この研修を通して、探究心や思考力が豊かになったと思うので、課題研究やこれからの生活に活かしていきたいと思います。
・工学の分野に特別な興味があったわけではないけれど、行ってみていくつか質問もすることができ、より一層大学での学びへの希望が大きくなりました。とても短い時間の研修でしたが、生活を支えてくれている技術の元に少し触れることができ、充実した時間になりました。
・2時間ずつの研修の内容はとても濃いもので自分ではなかなか触れられないない最新の研究の内容を知れて、触れることができて、実際に話も聞くことができてとても貴重な時間だったと思う。主に理系の話であってもこれから文系に進もうという私にもつながるような話があったり、暮らしにつながる話があったため様々なことがつながっているのだなあと感じた。理系のことばかり勉強していても文系のことばかり研究していても何もわからないということを感じた。それぞれの研究が組み合わさって初めて一つのことが明らかになるという言葉からは何でも一人ではできないということを痛感したような思いだった。燃焼装置を実際に見ることができなかったのは残念だった。発想の柔軟さとそれを実現する技術が伴って初めてそれが新たなものとして作られるのだろうなと思った。