令和6年度 理数科 放射線セミナー(1年次生)

7/26(金)午後、理数科1年次生を対象に、日本科学技術振興財団から 岩﨑 智之先生をお迎えして、放射線セミナーを開催しました。
 このセミナーでは、身の回りに存在しながらあまりその仕組みと中身を知られていない放射線について必要な知識を学び、実験を行います。また放射線の知識は、理学・工学・農学・医学など多方面の進学先で将来関わることになるもので、この講座は生徒の知識の幅を広げる貴重な体験になります。

 この講演を通して、生徒は自然放射線のレベル,人体への影響と線量の関係など、放射線に関する正しい知識を得ることができました。また、放射線の有効活用の例として医療では欠かせない技術となっていること,工学や遺跡の年代測定など幅広い分野に応用されていることなど、生徒にとって今後の学習意欲が高まるよい経験となりました。

<生徒の感想(一部)>

・1限目は、カードゲームをしつつ、放射線について理解を深めることができた。カードゲームでは、自分の知らないこと(ベクレルやシーベルト)を知ることができ、意外と身の回りに放射線があることを知り驚いた。2限目では自分で霧箱を作った。実際に作って観察してみて、とても神秘的に思った (流れ星みたい) 。石とガスでも見え方が全く異なっていて、とても興味深く感じた。正しい情報を知り、正しい方法で使えば、放射線も有効に使えるので、このことを周りの人に知らせていきたいと思った。

・今回のセミナーを通じて、放射線の面白さを改めて感じることができました。霧箱の実験では、放射線の軌跡が霧となって可視でき、本当に放射線は見えないのだと再認識できたからです。目に見えない存在は不思議ですが、同時に怖いなと思いました。高いエネルギーがすごいスピードで放出されていたからです。取り扱いには厳重な注意が必要だと感じました。程よい緊張感をもって学んでいきたいです。また、実際にどのくらいの放射線が身近にあるのかを測定器を用いて調べ、石などに多く含まれていることが分かりました。班員の皆で測定器が高い場所を熟考していくのが楽しかったです。放射線についてより詳しく学べ、もっと物理が好きになりました。

・放射線について詳しく知ることができました。また、放射線は人体に危険を与えることもあるし、その反対に医療でレントゲンとして使われていることや、原子力発電で使われるなどメリットもたくさんあって、表裏がはっきりしているなあと思いました。福島の第一原子力発電所の事故や原子爆弾などで、放射線は人間にとって危険なものだと考えていたけれど、放射線の量で危険度が変わることを知って、放射線があるから危ないという偏見をなくしていきたいと思いました。また、霧箱を初めて使って、放射線物質によって放射性の形がそれぞれ違って面白いなあと思いました。 放射線は目に見えないけれど、放射線の軌道をドライアイスとアルコールで見えるようにしていて、発明した人が凄いと思いました。

また、実際に放射線を測ってみることで、自分が生活している環境には、これぐらいの放射線があるんだなと感じました。花崗岩に多くの放射線が含まれていることも知り、個人的に石とか岩には放射線が含まれないんだなと思っていましたが、とても興味深かったです。今まで、あまり放射線についてあまり興味がありませんでしたが、これから放射線について知っていきたいと思いました。                                  

・今日のセミナーで放射線とは何か、そして放射線を一度に大量に浴びてしまうことで人体のDNAを傷つけ、害を及ぼすことが分かった。放射線は目には見えないが、霧箱を使えば放射線の軌跡を見ることができた。 これまでは「放射線=危険」だという認識があったが、セミナーを受け、「放射線=危険」ではなく「放射線=上手に使えば現代社会の更なる発展につながる可能性のある、危険だが研究しがいのある実に面白いもの」という認識へ変わった。放射線といっても、α線やβ線以外にもあり、放射性物質の種類はびっくりするほど多くて驚いた。身の回りのものでいえば、コンクリートや新しくできた物を測ってみると、思いのほか高い数値が出て少し驚いた。身の回りに微量ながらも放射線が飛び交っているので、放射線は遠く離れた存在のように見えて実は身近なものだったことが分かった。霧箱を使えば放射線の軌跡が見えること,実際に目に見えない放射線を数値で可視化させることができることを体験し,これらを開発,発明した方々のすごさが身にしみて分かるセミナーだった。自分も同じように何かを発見したり発明したりして、今後の科学に貢献できるような人になりたい。