SSH地球環境研修(1年次生理数科対象)

SSH地球環境研修(1年次生理数科対象)を11月8日(土)に行いました。

 本年度も鳥取大学農学部フィールドサイエンスセンター「蒜山の森」で研修を行いました。本年度も天候に恵まれ、鳥取大学の演習林での研修が実施できました。

 午前中の研修では、一般財団法人日本菌蕈(きんじん)研究所、主任研究員、牛島秀爾先生の指導の下、演習林の植生の観察とキノコの採集を行いました。

演習林ではカエデやカラマツの紅葉が見ごろで美しい景色の中での散策が楽しめました。また、キノコの採集も順調でムキタケやスギヒラタケ、スッポンタケなどの多くのキノコが採集できました。昼食には、採集した「森のフカヒレ」とも呼ばれるムキタケの美味しい吸い物を研修センターの方が調理してくださいました。新鮮で、温かく美味しいお吸い物を堪能して生徒は喜んでいました。

午後は、牛島先生による菌類の講義を聞き、屋内でキノコの培養実習を行いました。

培養実習ではエリンギやマイタケ、シイタケやムキタケなどを培養プレートに殖菌し、持ち帰ることができるように行いました。牛島先生による丁寧な説明もあり、生徒は好奇心旺盛に取り組んでいました。

研修の最後に、生徒は研修の成果をまとめました。特に日常的には気にもとめなかった、菌類などの分解者が地球環境の保全に果たす役割を実感できたことに生徒は意義を見出していました。

〈生徒感想(一部抜粋)〉

・「キノコ」というものが1つのカテゴリーとして、形やにおい、生息地域などいろいろな種類があるとても深い存在だということを感じました。林の中を探し回ってみると、草木の中にまぎれて様々なキノコを見つけることができました。キノコそれぞれに住みやすいや環境や繁殖のしやすさなどの理由からここに生息しているのかな等と考えると面白かったです。大きな森林の中で「キノコ」だけを目当てに探すというのはとても大変でしたが、木陰の日常では見ないようなところをじっくり探し歩くのはとても楽しかったです。また、キノコの培養実験は私にとって、今までに行ったことのある生物の実験観察の中で最も「研究者みたい」だと感じられるものでとてもワクワクしました。無菌状態を常に意識し、観察物だけでなく、道具や環境にまでにここまで配慮した実験は初めてだったので貴重な体験になりました。数日、数カ月後どのような様子になるのかがとても楽しみです。家の近くや登下校路などの身の回りにあるキノコにより興味をもって生活していきたいと思いました。

・演習林での植生の観察は自然というものを体で感じることができた。道をはさんでそれぞれ別の植生が広がっていたり、特定の植物にしか生えないきのこがあったり、今まで知らなかったことや気にしていなかったことなどを知ることができた。山の中でみるところを変えると見える世界そのものが変わるのだと気づいた。これからは少し足元にも注目して、きのこや植物にも目を向けていきたい。きのこの培養実験は、思っていたよりも工程自体は簡単だったが、厳密に雑菌を取り除いて実験を行おうと思うとより大変で、再現性を確保することが難しそうだと思った。また今回の地球環境研修は自然科学の体験だけでなくクラスメイトとの親睦を深めることもできたと思う。今後もこのような機会があれば積極的に参加して、科学的な体験を積むだけでなく、人と関わるつながりにもしていきたい。