「ソーシャルサイエンスⅠ」第5回ワークショップ

2月15日(土)にソーシャルサイエンスⅠ(高校2年次生対象)の第5回ワークショップを行いました。

今回のワークショップは、さくら北浜法律事務所の本元宏和弁護士をお迎えして実施しました。生徒たちは、事前に検討課題をいただき、「アリとキリギリス裁判」において保護責任者遺棄致死罪が成立するのかどうかについて、検察官チームと弁護士チームに分かれて論拠を想定し、模擬裁判を行う準備をしました。

当日は本元弁護士から弁護士の仕事や日常について、また弁護士として心がけていることなどもお話しいただき、生徒は法律に携わることや弁護士の仕事に関心を高めていました。

模擬裁判においては、生徒たちはそれぞれの立場から具体的な論拠を示しながらアリが有罪であるか無罪であるかを真剣に討論し、聞き応えのある模擬裁判となりました。本元弁護士からも、今までにはなかった着眼点からの論述や、判例の内容を論文にまでさかのぼって調べていたことなどに対して、お褒めの言葉をいただきました。
生徒たちは事前学習も含め、今回のワークショップを通して視野を広げ、今までにない刺激を受けていました。

本元弁護士、この度はお忙しいところ、ご講演いただきましてありがとうございました。

生徒の感想を一部紹介します。

〇 事前課題では、どの切り口から論を進めていけばいいのかかなり迷いました。証言や罪状の解釈など考えられることが多かったので、チームの中で相談し意見をかためていきました。しかし、ワークショップで実際に討論して先生の解説を見てみると、考慮すべきことが思っていたよりも多く、裁判の難しさを感じました。しかしそれでいて先生の解説は客観的で分かりやすかったので、さすが現役の弁護士の方だと思いました。また、私は先生の依頼者へのアフターケアのお話が印象深かったです。裁判の結果にかかわらず、今後の依頼者の人生をいいものにしようという先生の考えが素晴らしいと思います。これまで法に馴染みがなかった私ですが、今回のワークショップを通して法への興味が湧きました。この興味を今後も持ち続けたいです。

〇  事前学習でモヤモヤしていたことが先生の解説でスッキリしました。私は検察側で、アリを有罪にするための証拠が集められなかったことが少し悔しかったです。しかし、有罪にするのが難しいということは、日本では簡単に人は有罪にはならないということを聞いて、なるほどと感心しました。また、実際に弁護士バッヂを見て触れることができたのは貴重な体験となりました。嬉しかったです。

〇  私は討論が苦手なので弁護士には興味はあってもなりたいとは思わないし、探究してみたいなどと思ったことはありませんでしたが、今日のお話や模擬裁判をしてみて、法律の条文に基づいて一つ一つ検討していくのがすごく興味深かったので、これからも法関係に触れていきたいと思いました。また、今日のお話の中に受験勉強に通ずるものがあり、全体を見る意識が大切だということを教えていただいて、自分にも思い当たる節があったので、これからはそれらを意識しながら受験勉強に取り組みたいと思います。

〇  今回は貴重な講演をありがとうございました。本元先生が、弁護士は裁判に勝つことよりも依頼者に裁判の結果を納得していただくことの方が大切だとおっしゃっていたのがとても印象に残っています。これまで弁護士は裁判をするというイメージが強かったのですが、依頼者がいるからこその仕事であると知ることができました。また、実際に弁護士側と検察官側に湧かれて議論することで、検察の立場を擬似的に味わったり、法律をより深く解釈しようと試みたりする経験ができました。この講演を通じて法をより身近に感じることができました。今まで法という分野に触れることがなく、生活の中でも実感を持つことが少なかったのですが、今回の講演をきっかけに調べてみようと思いました。