「ナチュラルサイエンスⅠ」第4回ワークショップ

11月25日(土)にNSⅠで今年度の第4回ワークショップを実施しました。

講師:岡山大学 理学部化学科 異分野基礎科学研究所 鈴木孝義先生(SSH運営指導委員)

 今回の講義では、「酸素」を題材にしてエネルギーについて学び、鈴木先生の御専門である「金属錯体」について教わりました。我々の生命活動を維持する上で必須である金属錯体や実社会で材料として使われている金属錯体を例に、金属錯体がもつ特性について学びました。さらには金属錯体の種類は無限に存在しており、金属錯体がもつ無限の可能性について考えることができました。

生徒の感想】(一部抜粋)

◆ 今回のお話を聞いて、先生自身が普段から「なぜ」を大切にされているんだろうなと感じた。講演の中にもあったように考えてみれば身の回りには不思議なことがたくさんあって私はそれを見逃してしまっていると思った。酸素はとても身近だけどまだまだ知らないことがたくさんあって今日は新しいことが聞けてとてもおもしろかった。酸素が常磁性の理由や体内で欲しいところに酸素が運搬される理由の話など大学の知識を必要とし少し難しかったけど「なぜ」を解明するにはしっかりと考えることが大切だと分かった。また、化学式を習った時私はそういうものだと思って何の疑問も持たず勉強していたけどO-H結合がどのように離れてO-O結合がどのようにしてなされるのか未だ分かってないと聞いて確かに不思議だなと感じた。最先端の研究がされていてもまだ解明されていないことはたくさんあるから身の回りにある「なぜ」を見つけて自分で調べてみたいと思った。それを調べるには大学レベルの知識が必要だと思うのでまずは今その土台となる基礎をしっかり勉強しないといけないと思った。

◆ 酸素の色や常磁性があることを初めて知ることができた。動画とともに教えてくださって、イメージが湧きやすかった。液体酸素が磁石につくのを教えてくださったあとに先生が空気中に磁石を置くと酸素が集まっているかもしれないねというようなことを仰っていて自分にはその考えがなかったのですごいと思った。その常磁性について、スライド単体では難しくてあまり理解ができなかったけど鈴木先生がわかりやすく教えてくださってよく理解ができた。ヘモグロビンの酸素の運搬について当たり前だと思っていたけどヘモグロビンと酸素の結合について教わったあと疑問が生じてきたので知ることは大切だなと思った。イカやタコの血の色が青色なことに少し疑問を感じていただけで深く考えたことはなかったけど鉄ではなく銅を使っているからということを知って面白いと思った。事前学習の際、白金の錯体が抗がん剤になることが気になり、講演中も頭の片隅にいて、錯体ががん細胞のDNAと結合して複製を防ぐと知った時、金属錯体が体にいるだけでも驚きなのに体を守る?働きをしていることにとても驚いた。私の知らないところで多くの金属錯体がこのように利用されているのではないか、その利用例について気になった。いつか金属錯体ができる瞬間をこの目で見てみたいと思った。