「メディカルサイエンスⅠ」第4回ワークショップ

11月25日(土)にメディカルサイエンス(高校2年次生対象)の第4回ワークショップを行いました。

 今回のワークショップでは、津山第一病院の坂手洋二先生(本校卒)をお迎えして実施しました。外科医としての経験や、特に癌の治療に携わってこられた経験から、癌の基本的な知識・治療の実際について生徒に語っていただきました。また、総合診療医の重要性と地域医療との関りについても具体例をあげ、わかりやすく説明していただきました。講演後には生徒から熱心な質問が先生に寄せられ、解説していただくなど充実したワークショップとなりました。

〈生徒の感想抜粋〉

● 私は今まで 癌 という病気はなってしまったら治らないという風に考えていました。ですが今回のWSで 癌 という病気について根本的なところから知ることができ 癌 についての考え方がとても変わりました。私が一番衝撃的だったのが人は一日に5000個もエラー細胞(がん細胞)が発生していることです。 癌 は予兆もなくなってしまうものだと思っていたので衝撃でした。ですがそのエラー細胞のほとんどは免疫細胞によって退治されるというのを聞いて安心しました。

●  癌の発生が、通常は免疫機能によって駆除される異常細胞がそれをすり抜けてしまった時に起こることであり、極度のストレス、疲労、他の病気による体力の低下などが関係すると知りました。癌について学んだ時に細胞の異常なら防ぎようがないと思ったけど、免疫機能を低下させないことが重要であると分かったので改めて心身ともに元気でいることを心がけようと思いました。

●  癌は良性腫瘍とは異なり、転移し、再発を起こし、発育状況が湿潤性のため、境界が曖昧で不明瞭ということがわかった。がん細胞は植物みたいにステージが進行するにつれて治療が難化していくため、根を張るように広がり、取り逃すと再発することがわかった。定期検診を受けることが癌になることを防ぐために大切だと思った。他にもすべての癌についてガイドラインがあり、それによって治療が行われるため、どこで治療を受けるかより、どの人に治療をしてもらうかが重要になりそうだと思った。乳がん手術の画像を見せていただいたが、思ったよりも数倍インパクトが強く、進行がんは手術するのが大変そうだと思った。また、どの 癌 にも治療の仕方に違いがあり、薬をどのように使うかやどの薬を使うかなどの判断が重要そうだと思った。

●  地域医療に関して事前学習で調べた際「地域全体を診るお医者さん」という大まかな理解しかできませんでしたが、先生が仰っていたように、昔お世話になった地域の人々が年齢を重ねたり体調を崩したりして病気になったときに恩返しとして医療で貢献することが地域医療の本来のかたちであるかもしれないと思うようになりました。先生の診る患者さんも知っている人が多くてやりがいがあると仰っていたので、自分を育ててもらった地域で働くのは地域にとっても自分にとっても良いことだと思ったし、自分も将来何らかのかたちで地元に恩返しができたらいいなと思いました。

●  まずお話を聞いてすぐ、坂手先生の落ち着いていてかつ聞きやすい話し方に患者さんを相手にする時自分もいつかこのように話せるようになりたいと思いました。 癌 についての話を聞いていくにつれて内容がだんだん重いものになったけど途中途中でうさぎの木彫りの制作過程を見せてくださって気が和らいでいって、先生の優しさを感じました。日本人の約2人に1人が 癌 になる時代で、乳がん、甲状腺がん、大腸がん、胃がんについて知っておかなければいけないと思うし、今日学べて良かったです。 癌 といえば手術が必要なんだと思っていたけれど、今は化学療法・薬の力で治ることも知ってすごいと思いました。乳がんの話の中で遺伝子の異常が起こることを前もって知って少しでも予防しようと心がけるように他の部位の 癌 でも遺伝子の検査が行えるようになったらいいなと思いました。また、夏に中央病院の研修に行ったときに学ばせていただいたことが今日の話の中で生きていると感じることができてそのことが今日のMSを通じて印象的でした。