「ナチュラル・サイエンスI」・「メディカル・サイエンスI」第5回ワークショップ

 「ナチュラル・サイエンスI(NSI)」・「メディカル・サイエンスI(MSI)」 (2年次生対象) の第5回合同ワークショプを2月17日(土)に実施しました。

  今回は、岡山大学大学院自然科学研究科(工学部)高分子材料学研究室 内田哲也先生にお越しいただき、『ポリエチレンフィルムと光電変換色素を用いた人工網膜の実用化に向けた医工連携研究』についてお話を聞かせていただきました。

 講演では,岡山大学方式人工網膜(色素固定薄層型人工網膜)の開発の過程やご苦労を教えていただきました。医学研究を志すMSI選択者と自然科学研究を志すNSI選択者にとって、重要な研究分野について非常に興味関心が高まる内容でした。

 また、内田先生は本校の卒業生でもあります。生徒からの質問にも丁寧に答えていただき、進路を考える上での助言もいただくことができました。生徒にとって大変貴重な機会となりました。

【生徒の感想】(一部抜粋)

● 私はこの1年間、課題研究で様々な実験を繰り返してきたけれど、失敗することも多く、モチベーションがさがり投げ出したくなる時期も何度も経験したので、先生が20年以上も研究を投げ出さず、一歩一歩着実に前進されていることが本当にすごいことだと思った。
PMDAの方との面談も何度も行ったと口にだすのは簡単だけれど、課される課題をひとつひとつクリアするのも相当忍耐が必要だし、だれもができることではないなと思った。
新薬が開発されたり、新しいワクチンがでたり医療の進歩を日々感じるけれど、その裏側には、膨大な数の動物実験や安全試験でのデータ収集など、人間の体に入るまでにさまざまな過程があることを初めて知ることができた。とても良い機会だった。

● 人工網膜ができたら終わりではなく、それを目に入れる手術に使う道具も開発していると聞いて驚いたし、すごいと思った。人工網膜の品質を保つためには様々な条件があることを知り、それらの条件をクリアするためにたくさんの苦労があったことが分かった。
条件を一つ一つクリアする中で「自分の一番大切な人に入れられる品質のものを作ろう」と考えて頑張ったというお話がとても心に残った。

● 「人生、時の流れに身を任せてもいい」という 先生の言葉は、ただただ日々の中で流されて生きれば良い、ということではなく、 日々努力をした上でなら、流れに身を任せても良いようになる、ということだと思うので、自分ができる努力を精一杯して、人の意見を聞くようにしようと思った。
今はまだ進路についてよく決まっていないけれど、自分が志望する分野でも他分野と連携してできることがあるのか、また、その進路を選ぶときに自分が興味のある分野を調べるだけでなく、その分野に関係することも調べ、自分に合うのはどちらなのか、本当にしたいことがどちらに当てはまるのかなど考えながら進路決定や将来の就職先などを決めたい。