「ナチュラルサイエンスⅠ」第3回ワークショップ開催

 10月21日(土)にNS Ⅰ で今年度の第3回ワークショップを実施しました。
講師:福山大学 秦野琢之先生(本校卒・SSH運営指導委員)

 今回は「遺伝子工学」を中心とした講義でした。遺伝子組替えを行った酵母などを使うことにより,セルロースなどヒトが消化できない糖類からガソリンを作り出す可能性を追う研究について教えていただきました。 また、現在ラオスで取り組まれている酵母コレクションやラム酒製造の活動についても楽しく教えていただきました。多面的・多角的な視点や学問の奥深さを知る機会となりました。

【生徒感想抜粋】

トイレットペーパー由来のセルロースからガソリン燃料を酵母を使って作るのはロマンがあると感じた。自然由来のものからエタノールなどの化合物を生成するバイオ研究の可能性を素晴らしいと思った。光合成をする時に油を生み出す微生物を作り出している研究があることを知っていたので、秦野先生の研究と類似点があるように思えたので、ガソリン燃料を作り出すことの可能性も大きいものであると思えた。

食料のデンプンからエタノールを作るのではなく、捨てられた紙などからエタノールを作ろうと挑戦していてすごいと思った。ラオスで完全にラオス産のラム酒を作ろうとして現地でアルコール発酵する酵母を見つけたり、現地の人に道具を持っていったり技術を教えて支援しているところがすごいと思った。すぐに結果が得られるような研究だけでなく、自分の好きなことを長い時間をかけて研究していってほしいという言葉が印象に残った。自分も大学に行って研究したいので、興味のあることを見つけて研究したいと思った。

全体を通して、科学に対する考え方、研究者として大切な考え方についておっしゃっていて今後につながる深い学びを得ることができました。特に驚いたことは、呼吸はエネルギーを取り出すものではなくて、酸素の毒性を消すために水を作る反応であるということです。自分の中の固定概念が覆されました。また、秦野先生ご自身の夢の話をしてくださいました。実際にラオスへ足を運び、現地の方と協力してLAODIの製作をされていて、自分もいつまでも目標や夢を忘れずに生きていきたいと思いました。

研究の内容は少し難しくて全部を理解することは出来ませんでしたが、私は先生の行動力と発想力がとても印象に残りました。大きな夢を掲げてからどうすればそれを実現できるのか考えてそれを実際に自分が行動して叶えていくことがすごいなと思いました。国内ならまだしも海外にまで行き、機械が足りないなら現地のもので工夫したり日本から送ったりという行動力は研究者にとってすごく必要な力なんだなと感じました。また、行き詰まった時など柔軟な発想で切り抜けていることがすごいなと思いました。目標や夢を叶えるためには自分で考えて行動することの大切さが伝わってきました。私も夢があるので今すべきことをしっかり考えて行動していきたいと思います。

先日の講演では先生の研究をわかりやすく教えていただいてありがとうございました。非常に興味深く聞かせていただくことができました。セルロースを分解してエタノールを作りそれを燃料に使用するという研究はとても社会の役に立つものだろうと思いました。また、遺伝子を変えてそれができる酵母を作るというのもまたすごいと思いました。自分達も課題研究をやっていますが、なにか社会に貢献できるような成果を見つけ出すことができれば良いなと思います。

酵母についてはほとんど知らなかったが、風や太陽光といった自然から電気を作ろうとしている方向性とは異なった方向でエネルギーを生み出そうと研究されていたことを知り、興味を持った。エネルギーの問題はこれから更に社会的な問題として共有されるようになり、盛んに研究が進んでいくと思うため、新しい視点を得ることができたと感じた。また遺伝子組換え酵母はとてもおもしろいと思った。自分が思っていた以上に我々の生活は酵母のような小さな生き物に支えられているのだなと感じた。

秦野先生の解説がとてもわかりやすく、内容もとても興味深かったです。バイオエタノールとアルコールの違いについて飲むか飲まないか等と一言で違いを説明できるところにその道のプロフェッショナルというものを感じました。バイオ燃料で飛行機を飛ばすという夢も各項目の難所と思われるところを乗り越えているので、ほとんどかなっているも同然と感じましたし、他の人とは違ったアプローチのものを何十年も続けているところを尊敬します。

秦野先生のお話を聞いて、植物から本当にバイオエタノール=燃料が作れることを知ってとても驚いた。ブラジルなどでサトウキビからガソリンを作っていることは地理の授業で習ったけれど、その詳しい構造や、順序までは知らなかったので、ただ学んでいたあの内容はこういう過程を踏まえてできているんだなと知ることができた。また、先生の「夢を持つならでっかくいこう」「他の人がしないようなことをしよう」という言葉は課題研究や、将来大学などで研究をしていくうえで重要なことだと思った。私は今のところ研究職志望なので今している課題研究に対しても、目標に向かって色々なアプローチを試してみて、仮説が正しいのかどうか、それとももっと別の結果になるのか調べていきたいと思った。他の人が考えないような、それでも、道筋は通った方法で研究を進めていきたいと思う。