十六夜プロジェクトⅠ基礎統計学講座

 令和4年11月8日(火)十六夜プロジェクトⅠの時間に、統計数理研究所副所長 川崎能典 教授をお招きしました。基礎統計学講座は1年次生を対象にした講座です。SSH第Ⅲ期になって初めての取り組みです。2年次生での本格的な課題研究にむけ、統計学の基礎的な指導をしていただきました。

 講義の中では、大学でデータサイエンス学部が新設されていることなどを例にして、統計やデータサイエンスに通じた人材がいかに社会に求められているか教えていただきました。合間には、Chromebookを使ったシミュレーション(アプリを使った実験)を通して、統計学の考え方の基本や応用数学の初歩を学ぶことができました。また、研究者の守るべき倫理についても教えていただきました。最後には「論語」から「知之者、不如好之者。好之者、不如楽之者。」(知・好・楽)という言葉を引用して、高校生へ向けてエールをいただきました。講義が終わった後も、生徒が熱心に質問するなど、生徒にとって興味関心の高まりを感じました。

「生徒感想抜粋」
○実験結果が偶然でも起こりうるものなのか、何かが影響した特異なものなのかを証明するための重要な考え方が分かった。研究するときにそういうことも頭においておこうと思った。三角形の点を打つゲームは単純に感動した。適当に打っていると思える試行を続けていたのにあんなに規則正しくなることがあるんだと思った。

○今回の講座で最も印象に残ったのは、研究におけるしてはいけないことについてだ。研究をまとめるときや発表するときには、事実と異なることや、事実を誇張した表現を絶対に使わないことが必要で、意図的にしなくても、誤った表記があることもあるので、見直しを何回もすることも大切だと分かった。来年から理数科は課題研究があって論文を書いたり発表をしたりするので、今日学んだことを活用してグラフや表現に気を付けながらうまく結果をまとめられるようにしたいと思った。

○統計学がどのような学問なのかがわかった。統計学はどんなふうに社会に役立っているのかよくわからなかったけど、目に見えない様々なところで役立っているのだろうと思った。私は経済学部を目指しているけれど、自分の興味があるのものに出会ったらそれを学ぶのもいいのだとわかったので、自分の夢を狭めないように「自分が好きなもの・楽しめるもの」を大切にしたいと思う。