R04 1年理数科 ライフサイエンス研修

8月3日(水)に理数科1年次生を対象として、ライフサイエンス研修を行いました。例年は、福山大学生命工学部生物工学科を訪問して、2日間で生物・化学分野に係る専門的な実験・実習・講義を受けていましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、今年度は本校教員による「生化学の基礎的な実習」というテーマでの校内実施となりました。

研修の前半では、「正確な溶液の計測」を目標として、ビュレット、ホールピペット、メスシリンダー、メスフラスコなどの溶液の容量を測定する器具の特徴や使い方の説明を受けました。その後、実際に各班で協力して、3種類の濃度(0.1mol/L、 0.01mol/L、 0.001mol/L)の硫酸銅水溶液の作成を行いました。

そして、分光光度計を用いて、作成した3種類の硫酸銅水溶液の実際の濃度を測定し、どれだけ正確な濃度の水溶液を作成できているかの確認を行いました。誤差が大きな班もありましたが、誤差の原因について真剣に考察する姿を見られました。

後半では、前半の実験での水溶液の吸光度より作成した検量線により濃度未知の水溶液の濃度測定を行いました。どの班も精度の高い濃度測定ができていて、吸光度や検量線についての理解が深まったと思います。

〈生徒の感想〉

・知らない器具がたくさん出てきたが、使い方を教わってしっかり使えるようになった。共洗いというのは面白いなと思った。実験では班で協力して楽しんですることができた。規定量を量り取るのはとても難しかったが、慣れるとそれなりに上手くいった。

・今回の研修で正確に実験を行うためには正確な測量が大切だということを学んだ。研修では様々な計量器具の特徴や使い方などを教わり、実際に器具を用いで練習を行った。器具ごとに用途や特徴が異なり、正しい使い方を理解することが正確な実験を行うという点において必要だと思う。今後の課題研究に備えて普段の実験から器具を正しく使いこなせるようになりたい。

・研修へ行く前は、習っていない単位や知識が出てきて、自分だけ置いて行かれていまうかと思ったが、単語や実験に補足説明があったので理解することができた。実験の時は積極的に行動することを心がけて、技能を高めることができた。これからも、わからないことにチャレンジし、化学について勉強していきたい。

・精密な実験結果を出すために器具の正しい使い方や洗い方など実験の基礎を学ぶことができた。実験の後に具体的な数値を出してそこから考察するのも楽しかったと感じた。環境に有害な薬品などは正しい方法で片付けることが大切であると学んだ。班のメンバーと協力して実験を行うことができたと思う。

・いろいろな器具の正しい使い方を、実験を通じて学ぶことができた。容量を計量するピペッターやメスシリンダー、メスフラスコは乾燥機を使うと割れやすくなったり、体積が変わったりするので使ってはいけないことを知ることができた。吸光度を使うことで溶液の濃度を測定できて便利だとおもった。班の人と実験するのは楽しく、またやりたいと思った。

・校外での研修に参加し科学的視野を広げたいと思い申し込んだライフサイエンス研修でしたが、コロナの影響により校内での研修となり残念でした。今回の研修では正確な溶液の計測、未知の溶液の濃度測定を行いました。研修の際には計量する実験器具とそれらの違いについて理由まで学ぶことができ、また新たな知識を得られました。私自身実験というものが苦手でほとんど手出しできませんでしたが器具を扱う直接的なところではなく、質量測定などの計算や記録係に徹していました。今はまだ見るだけの実験ですがクラスメイトの手さばきを見て積極的に実験に参加できるよう精進したいと思いました。

・基本的な実験器具や実験方法について学ぶことができた。最初はあまり意味が分かっていなかったけど、自分たちで進める内に理解できる感覚があった。また、色々な種類の実験器具を使った実験だったのでどれを使うか迷ったけど、これから何のためにどんなことをするのかということを考えることで、迷うことが減ると分かったので今後もそれを意識したい。

・分光器を使った実験を行って、溶液の濃度を光によって区別できるのはすごいことだと思った。溶液を容器から容器に移し替えるとき、ピペットを共洗いしたり、精製水で流したりするということを知ることができた。実験の手順や用具の使い方は来年の課題研究にも役立つと思うので覚えておきたい。また、溶液の濃度を揃えることはとてもむずかしいと思ったので、できる機会があれば、もう一度挑戦してみたい。

・もう実証されている実験をする際に、もし結果が違ったら、失敗の要因は何だったのか考察して正しい結果が得られるように丁寧に実験を進めることが大切だと知りました。二年生時の課題研究でも、予想を立て、丁寧に実験し、結果から得られた誤差や違いを深く分析したいです。 今回の研修に参加してみて、研究への興味関心が高まりました。

・私は今までにそこまで細かな作業を繰り返す実験をしたことがなかったのですが、今回の実験から小さな誤差でも積み重なればすごく大きくなると思ったしいかに一つ一つの作業を丁寧に早くするかだと思いました。でも班のみんなと協力してできたり正確な値を出せたりしたのでとてもいい体験になりました。普段触れることのできない機械を触れてとても楽しかったです。