R2年度「SSH大阪大学工学部研修」

 3月26日(金)に1・2年次生39名で,大阪大学工学部のオンライン研修を実施しました。昨年度末は新型コロナ感染拡大の影響で急遽中止となりましたが,今年度はオンラインの形式でなんとか実施できました。
本校OBの大学院工学研究科の赤松 史光 教授(燃焼工学)と高原 淳一 教授(応用物理学)の先生方にお世話になり,講義を受けました。オンライン開催ということで参加者全員がヘッドセットをつけて、質疑応答となりました。普段とは違う形式で戸惑いはあったと思いますが、たくさんの質問が出て非常に活発な研修となりました。

<参加生徒の感想抜粋>
・(赤松先生の講義を受講して)近年の社会で最も重要な社会環境・資源問題の一つである化石燃料問題の様々なデメリッ トを色々な面からの解決可能な手段としてアンモニアを利用するということがあるということを知ることができて、とても面白かった。2050年までに実質CO₂排出量発電には思った以上にメリットが多く、将来的な燃料問題解決、電力問題に大きな影響を与えるのではないかと感じた。また、それらの新興エネルギーの発達によって電気の価値が大きく変わる可能性があるということに大変驚いた。
(高原先生の講義を受講して)理論を立てて実験的な検証を行うことの難しさと興味深さが伝わってきて、講義を聞いていてとても楽しかった。物体のスケールを変えることによって、その性質が全く異なるものへと変化するという点にあらゆるものがまだまだ我々の知らない可能性を持っているかもしれないという事に面白さを感じた。また、ナノフォトニクスの技術や、メタマテリアルを応用していくことによって私たちに科学的な発展をもたらしていくことにも可能性を感じた。また、自然界にはない物質であるメタマテリアルを利用して高性能なものが作れることにとても驚いた。事前学習で分からなかったものが理解できてうれしく思った。(理系男子)

・地球温暖化に関わる二酸化炭素排出の削減のために、日本の研究者が取り組んでいる姿を見て、僕が知っていた領域の外で解決しようとしていた。こうした世界規模の問題に立ち向かうには多方面からの見方・攻め方が必要だと感じた。なので、普段の学習や何気なく流れるニュースにも常にアンテナを張り、新しい考え方や自分の知らなかった研究などはどんどん吸収しなければならないと感じた。今回の研修に参加していない人は例えば、「二酸化炭素を油田に埋めて処理する」といった切り口を持っていないわけなので、自分の得た知識は周りに伝えたい。また、今回のような研修によって自分の興味ややりたいことが見つかったり、違った考え方を得ることができることを他の人に伝えたい。(文系男子)

・今回の研修で、知らない研究分野を少しずつ知っていく楽しさを実感することができた。水素社会を目指している社会の中でさらにアンモニアが注目されていることや、光の屈折、反射、共鳴などを用いてまるで写真のようなきれいな色が作り出せることを初めて知り、とても興味深かった。さらに、透明人間にいつかなるという夢のような話も現実になる可能性があるとわかり、自分の価値観が覆ってワクワクした。そして、研究室も見学させていただいてとても嬉しかった。だんだんと鮮明になっていく花火に科学技術の進歩を感じてとても感動した。実際に見てみたかったが、逆にリモートでみたことで実際にみたらどんなだろうと興味がさらにでてきた。(理系女子)

・高校に入学して理科基礎を学んできたのだが、テストのための勉強になってしまい学ぶ意義が見いだせないまま1年間が過ぎてしまった。自分と同じような人は多かったのではないかと思う。しかし、今回の研修で明確に、とまではいかないが意義を見いだすことができた。今回の研修のように凄く発展的な内容を扱えるようになるためには高校生の間に基礎を確立することが大切なのではないだろうか。そして、突き詰めていけばおもしろさや魅力に気づくことができる。これがこの研修で僕が考えた意義である。参加していないクラスメイトにも機会があればこのことがいつか伝えられたらいいなと思っている。また、僕は理数科なので、2年次には課題研究という大きな探究活動がある。この研修で学んだことがいきなりそこで活かせるかは分からないが教授がみせてくださった研究や学問に対する姿勢や熱意を忘れないようにしたいなと思う。(理系男子)