「ナチュラルサイエンスⅠ」第4回ワークショップ

ナチュラルサイエンスⅠ(高校2年次生対象)の第4回ワークショップを2021年11月27日(土)に行いました。 今回のワークショップには、岡山大学学術研究院環境生命科学学域 氏原 岳人先生をお迎えしました。 氏原先生は社会基盤や都市計画について研究をされている先生です。 生徒は事前研修で、氏原先生の研究内容についてホームページなどで学習し当日のワークショップに参加しました。 当日は『都市・交通計画学 ~コンパクトシティってなに?~』というテーマで都市開発がどのように行われているのか、津山市や海外での事例を含めてとてもわかりやすく解説をしていただきました。 さらに今回は、歴史的・政治的な背景も踏まえ、文理関係なく「サスティナブルな都市開発構造」についてご説明いただき、生徒にとって科学研究の多面的な視野の広がりも体験することができました。

<生徒の感想>

・今回の講演を聞き、都市計画について知ることで、自分の住んでいる地域に対する見方が変わった。ポートランドの写真で歩行者が多く様々な移動手段があるのを見て、日本ではあまり見られない景色だったので驚いた。海外は政府が公共交通機関を運営していると聞き、なぜ日本はそうしないのかと疑問に思った。また自分が住んでいる地域が中山間地域であるため、そういった場所はどうするべきなのだろうと疑問に思い、今後今回学んだことを参考にして考えてみたいと思った。

・住みやすい都市を創るためには「住みやすさ」、「住みやすさ」を効果的に高めるには「移動」、「移動」を高めるには「公共交通」が必要になることがわかった。 そもそも「都市」とは、「さまざまな人間が集まり(都)、新たな価値を生み出す場所(市)」である。コンパクトシティ(郊外のスプロールを抑制し、中心部や公共交通の主要駅周辺に都市機能を集約させた都市)には、「密度」「交通ネットワーク」「多様性」が必要であることが分かった。また、インフラを放棄しない限り、永続的にコストをかけながら維持管理しなければならないため、しっかり考えながら都市づくりをすることが大事であることがわかった。

・今回のワークショップを通してコンパクトシティとはどういうものか学ぶことができた。都市、交通計画学は私たちの暮らしに深く関わる分野なので、問題意識を持ちながら聞くことができた。津山市は商店街が衰退したり、人口の減少が著しい町であり、これからどのようにして開発すればよいのか疑問に思った。その一方でアメリカのポートランドでは空き家や利用量の少ない高速道路を商業施設にしたり公園にしたりして、計画的に都市が作られていて住みやすそうだと思った。日本は無秩序に広がった都市や空き家が多かったりするので、今後どのようにして解決すべきか考えたい。今回のワークショプを受けて理系の科目だけを勉強するのではなく、全ての科目を学ぶことが重要であると思った。そして住みやすい都市を計画することはとても難しいことだがとても面白い分野だと感じた。