「SSH地球環境研修」

SSH地球環境研修(高校1年次生理数科対象)を2021年11月20日(土)に行いました。

 今回の地球環境研修では、一般財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所 牛島秀爾先生をお迎えしました。

  牛島先生には「きのこ」を中心に講義・実習をしていただきました。講義では、牛島先生が持ってきてくださったきのこの実物の話を交えながら、きのこの種類から具体的にどのようなきのこが世界にはあるのか、食べられるきのこからタイヤの分解に役立っているきのこの話まで様々なきのこにまつわる話をしていただきました。その後の実習では、きのこの組織を分離して栄養を与えることで培養できる技術、顕微鏡を用いたきのこ胞子の観察などを体験させていただきました。

 この1日を通して、生徒は視野を広げることができ、また様々な技術に興味・関心を持つ機会となりました。

<生徒の感想(抜粋)>

・今回の講義できのこを食物としてではなく生物として見ることができたのはとてもいい機会でした。分離培養は今までしたことがなかった事もあってか、とても楽しかったです。きのこは苦手で食べないので、ここまできのこに触れることはあまりなく、新鮮で貴重な体験になりました。 講義で名前だけお聞きした冬虫夏草は以前小説の中で読んだことがあります。その時、薬になる、とだけ描写されていたのですが、きのこのことだとは思いませんでした。そのときに調べていればもっと早くこんなにも興味深い世界を知ることができたのではないかと思うと 少し後悔がつのりました。 今後は自分の興味を刺激したものへの探求を怠ることなく、視野を広げていきたいと思いました。

・先生が普段行われているお仕事の内容や知らなかったキノコの生態・特徴などのお話を聞くことができたり、実際にキノコの分離・培養、顕微鏡での観察などをさせてもらえてとても充実した三時間でした。個人的にはキノコの白色腐朽菌を利用してタイヤをリサイクルしている、というお話がとても驚いたので印象に残りました。講義の最後に仰られていたようにキノコの存在は森林の更新に欠かせない、というだけでなく、私達の生活にもそんなふうに貢献してくれているとは知りませんでした。今回教えていただいた様々なキノコについてのことを家族 にも話してあげたいと思います。

・キノコの培養を実際に行うことができて楽しかったです。エリンギやブナシメジの他に、ドクツルタケやツキヨタケなどの危険なキノコを知ることができて良かったです。ニガクリタケやマメホコリなどの胞子を顕微鏡でしっかり確認することができました。キノコによって胞子の形や大きさが違っていて、とても興味深かったです。他にも、乾燥しているときに刺激を与えるとホコリのようなものを出すキノコや、傷をつけると乳液を出すキノコなどがあって面白かったです。またこのような実験をしてみたいと思いました。本日はありがとうございました。