令和2年度初任者研修講座(高校理科)が開催されました。

 11月12日(木)、令和2年度初任者研修講座(高等学校理科)が本校を会場に開催されました。本校に今年度の理科の初任者の先生方が7名来校され、本校の教員の授業を参観されました。3限目は物理の井上先生、4限目は化学の南先生、そして5限目は生物の國府島先生の授業でした。
 井上先生は、理数科1年次生の理数物理の授業で、紙面上に木片を置いた後の時間と最大摩擦力の関係を考察するものでした。実験のデータ処理には、Chromebookを2名で1台利用し、Google Classroom上に準備されたスプレッドシートに測定データを入力していく形でした。考察の時間を確保するために、測定結果は自動的に平均され、グラフに表示されるという工夫が行われています。これらをもとに、思考ツールアプリのGoogle Jamboardを活用して、各班で実験結果の考察をしていきました。木片を平面上に置く時間によって最大摩擦力が変化するという実験結果は、教科書には載っていないものです。これは、以前に本校の課題研究のテーマとして扱った題材です。既知の分野に疑問を持ち、未知の分野を探究してきた先輩の存在を知ることで、2年次に取り組む課題研究への意識を高めるというねらいがあります。

 続いて、南先生は普通科1年次生の化学基礎の授業で、気体1リットルの体積をブタンガスの水上置換法から計算によって求める基礎的内容を確認する実験でした。生徒たちは、それぞれが事前にGoogle Classroom上に準備してあった「物質量とモル質量」の関係を復習して今回の実験に臨みました。実験データは、スプレッドシート上に入力し、各班の結果を比較して考察に向かう形でした。生徒が慎重に実験する様子が印象的でした。

 國府島先生は、普通科2年次自然コースの生物の授業で、豚の腎臓の解剖実験を通してその構造を確認する内容でした。この実験は、事前にGoogle Classroomに準備してあった実験の手法を確認してくることで、ほぼ安全面での注意のみで実験に入りました。まずは輸尿管、腎動脈、腎静脈を確認して、縦に開いていき、細部の構造を確認したのち、腎動脈から薄めた墨汁を流し込むことで糸球体を染めて顕微鏡で様子を確認しました。2時間分の実験内容を1時間に収めた内容でしたが、生徒は事前に実験内容を理解してきていたため、スムーズに実験が進みました。

初任者の先生方は3時間の授業を見学したのち、理数科2年次生の課題研究を参観し、授業についての研究協議を行って一日の日程を終えました。生き生きとそして一生懸命授業に向かう生徒たちの様子を見ていただく良い機会になりました。