「SSH地球環境研修」

 SSH地球環境研修(高校1年次生理数科対象)を2020年10月31日(土)に行いました。

 今回の地球環境研修では、東京都市大学総合研究所応用生態システム研究センター 山下律正先生と、一般財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所 牛島秀爾先生をお迎えしました。
山下先生には、「突然変異技術」を中心に講義していただきました。植物の葉の色を化学物質によって変えることで、今までに存在しない形質をつくることができ、それを料理デザインなどに応用することができることを教えていただきました。

牛島先生には「きのこ」を中心に講義・実習をしていただきました。きのこの組織を分離した後、栄養を与えることで培養できる技術やきのこの胞子についてなどを教えていただきました。

 この1日を通して、生徒は視野を広げることができたり、様々な技術に興味・関心を持つことができたりなど多くの経験ができる機会となりました。

<生徒の感想(抜粋)>

・未発見の新種を開発するなど,自らの手で初めてのものを発見することで「オンリーワン」になることができ,一生ものの「自信」を持つことができるという話は,確かにそうだなと思った。自信があれば,どんどん次に挑戦することができるし,失敗をしても立ち直りやすいと思う。私も自信を得るためのチャンスを,2年次の課題研究などで,これからの生活の中で掴むことができるように努力しようと思った。

・研究を進めていく上での工程や工夫などがよく理解できた。結果を出して満足するだけでなく,1つの結果から技術を見出し,様々なことにつなげて,それが自分の糧になるという言葉に感銘を受けた。「Aim at only one」を,世界で一番を目指そう!と訳されていて,大いに納得した。

・しいたけを木に植えつける作業は祖父と何度かしたことがあり,きのこは基本的に好きだけれど,どのような仕組みであるかなどはほとんど知りませんでした。まず,未知種が150万種ほどあるといわれていることに驚きました。そして,とにかく実験がおもしろく,とても楽しかったです。寒天培地にも,どのように繁殖しているのかがとても楽しみだし,黒い用紙に置いたキノコが,少しの時間でたくさん胞子を落としていた様子もとても興味深かったです。

・きのこが抗がん剤などの医学薬品や,エタノール・タイヤ再利用などの工業製品などに活用されていることを知り,とても驚いた。地球環境と私たちやきのこを含む生態系は,ちゃんとつながりがあるということを深く実感した。観察の仕方や研究の進め方など,たくさん学べることがあって,とてもよい勉強となり,生物学の研究に少し興味が湧いた。