「ナチュラルサイエンスⅠ」第3回ワークショップ

 ナチュラルサイエンスⅠ(高校2年次生対象)の第3回ワークショップを2020年10月10日(土)に行いました。

 今回のワークショップには、福山大学生命工学部 秦野琢之先生をお迎えしました。秦野先生は本校のSSH運営指導委員でもあります。今回は「微生物」を中心とした講義でした。微生物を使ってデンプンやセルロースなどの糖質バイオマスからエネルギーを取り出す技術やカーボンニュートラルについて教えていただきました。多面的・多角的な視点や学問の奥深さを知る機会となりました。

<生徒感想抜粋>

・ 1学期に生物の異化について勉強した時に、アルコール発酵=酵母菌という覚え方をしていたため、先生がアルコールを作る酵母菌はほんの一部とおっしゃったときには驚いた。酵母といえばアルコール発酵というくらい、生物にとって害のあるアルコールを生み出す酵母のはたらきは驚異的なものだと思った。麦わらなどのセルロースを直接酵母に発酵させることの、食糧不足や環境との問題は、第2回ワークショップの永禮先生のリスク管理のお話と関連づけて考えるとこが大切だと感じた。もともと私は大きな生き物に興味があったが、秦野先生の話や課題研究から、微生物などの小さな生き物にも興味を持つようになった。さまざまな問題を考える上で自分の視野を広く持つことは大切だと思うから、これからも自分の興味の幅をどんどん広げていきたいと思った。

・ 秦野先生がデンプンからアルコールを作るのは簡単だが、食料が減ってしまうと言われていたのを聞いて、科学を発展させても貧富の差が生まれたり、食糧が減ったりしない世界中の全ての人が幸せになれる方法を科学者は常に考えなくてはいけないということを学んだ。秦野先生がセルロースから直接アルコールを生み出す酵母を遺伝子組み換えで作れるかもしれないが生態系を破壊する可能性から断念したというのを聞き、研究によって起こるデメリットを予測して場合によってはやめなければならないことも学んだ。自分も大学に行って研究をする時には常に見通しを持って行動しようと決めた。

微生物のことを発展させていけば薬学にも応用できるのを聞いてとても興味深く感じました。また、今回の話はとても面白くこの先にも繋がるようなものでした。酵母にはあまり詳しくなかったので酵母がすごい能力があるのを聞いてまだまだ、色んな能力があるかもしれないと思い、また学びたいなと思いました。