令和元年度 東京神戸研修(高校1年次)

今年も8月5日~7日に高校1年次生20名が、東京と神戸で日本最先端の研究機関や施設に赴き、体験・研修活動を行いました。 

最初の訪問は東京大学本郷キャンパスの地震研究所でした。研究所の武多昭道先生より素粒子物理学や最新の地震研究の手法についてわかりやすく説明していただきました。目に見えないものをどのようにして見えるようにするか、その驚きの手法が目の前で次々と紹介され、生徒もとても驚いていました。今回の引率では、同研究室の卒業生である本校教員も引率していたので、当時の研究の苦労や発見なども知ることができました。最後には先生から生徒へ科学的に探究することの楽しさについても教えてくださいました。

<生徒の感想より>
 事前学習で言葉調べをしていたので、より研究について説明を理解することができた。先生の説明はとてもわかりやすく、事前学習をした際、理解しづらく感じたことも簡単に理解することができた。最初の印象では、あまり地震の研究に興味がなかったけれど、今回の研修を通じてもっと学びたいと思った。目に見えないものを調べることは、実感がわかなくて、不思議で困難なことに思えるけれど、そこを工夫してデータをとったりして目に見える形に変えたりと、調べることも大変なのに調べるプロセスで必要になるものや手順を創造していくことも必要で、面白そうだなと思った。地震を調べることは人の命を守ることにもつながるので、本当に必要な研究だと再確認した。

次に、同じく本郷キャンパス内にある医学部大学院医学系研究科にて、本校OBである川上憲人教授を訪問し、公共健康医学や精神保健学分野の講義を行っていただきました。中にはスマホアプリの「ポケモンGO」の心と体に与える研究といったユニークな研究例を紹介してくだいました。医学研究の内容や手法について、生徒からの質問に丁寧に答えてくださり,将来の進路について様々な助言もいただくことができ,大変勉強になりました。

<生徒の感想より>
  医学・医療研究で大切なのは“科学的根拠”ということを強調された。その科学的根拠にはランキングがあり、医学・医療ではランダム比較試験が行われ、それが複数回行われてやっと科学的根拠となる。昨年度、初めて課題研究をしたときも、どの先生にも科学的根拠を問われたことを覚えている。どんな分野でも科学的根拠が第一であることがわかった。

2日目は東京大学駒場キャンパスを訪問し、大学院総合文化研究科の前田京剛教授の方々による研究説明・施設紹介をしていただきました。超伝導現象や液体ヘリウムの超流動など、第一線の科学研究に携わっておられる研究者や学生の方々と質疑応答ができ,とても有意義な活動となりました。また、本校OBで現在東北大学金属材料研究所に所属されている岡田達典さんにも来ていただき、超伝導の仕組みについてわかりやすく教えていただきました。そして,さらに本校OBで東京大学大学院においてX線や宇宙線等の研究をされている和田有希さんにも来ていただき,現在これまでの研究や,取り組んでいるフランスでの人工衛星開発について教えていただきました。

<生徒の感想より>
 想像していた以上に興味深い内容で、最も楽しい研修の一つとなった。事前学習をした際には、大変苦労して学んだ。最先端の研究をしていらっしゃる大学院生のお二人の研究内容を伺うのは、難しい部分もあったが、わかりはじめると面白く、事前学習で学んだ以上に楽しい研究だった。宇宙線と雷雲の観測など、一日目の地震研究所の研究とも関連する内容があり、研究は繋がっているのだと感じた。前田研究室のデモ実験では超伝導実験や、液体ヘリウムの超流動など様々な実験をしてくださり、興味をもって観察することができた。

午後からはJAXA相模原キャンパス宇宙科学研究所で施設見学をしていただきました。解説員の方に人工衛星や国産ロケットなどの宇宙工学の歴史と最先端事業について丁寧かつわかりやすい説明をしていただきました。「はやぶさ」や日本の歴代の人工衛星について詳しく勉強することができ,日本の宇宙工学の技術力の高さを目の当たりにしました。はやぶさ2の管制室や人工衛星の試験場などもガラス越しに見学させていただくこともでき、生徒は食い入るように見入っていました。そこではメモをとり、写真を撮影できない場所が多かったため心の中に映像をしっかりと記録していました。また,本校OBの和田有希さんも帯同してくださり,X線観測衛星のしくみなどを解説していただきました。

<生徒の感想より>
 今回の研修で私がもっとも印象に残っていることは研究者、技術者はベストな状態を得るために、ワーストな状況で実験、観測をするということだ。たとえば、JAXAのローバでは0.3~0.6mmの砂を宇宙と同じ状況で再現し、実験することで本番での失敗の確率を確認していた。入試と同じところがあると感じた。一番驚いたことは、宇宙に普段地球で使われているマジックテープに行きついたということだ。このようなひとつのことでも責任の重さ、知恵の量が違うと実感した。

3日目は神戸に移動し、神戸国際展示場でSSH生徒研究発表会を見学しました。全国200校以上のSSH高校のハイレベルな課題研究やそのプレゼン力を見ることができました。また、外国の高校生による研究発表の仕方やコミュニケーションスキルを体験するなど、今後の研究の参考となりました。

<生徒感想>
  この三日間で1番と言えるほど実りの多い時間だった仲間でありライバルでもある全国SSHの高校生が集まって意見を交わしあった。外国の高校生も来ていて言語は世界が違うために行うと固めて感じた2つの外国の発表をきいたがすべて理解するのは難しく,英語をもっと学ぶ必要感じた。高校生の発表以外にも様々な研究所のブースもあり,たくさん資料をたくさんくださった。その中のひとつに大阪大学には「微研(大阪大学微生物病研究所)」と言う研究所があり、興味がわいた。私も将来の目標がぼんやりと見えてきた。頑張ろう。

<全体を通しての感想(抜粋)>  
 今回の研修に参加して勉強への価値観が変わった。今までも数学や理科を勉強するのは楽しくて好きだったし、もっと追究したいという気持ちはあったが、やはり受験のためとかテストのためとか、ひとつの目的としての勉強という考えがあった。しかし、この研修で大学で研究をされている人の話や私と同じ高校生の研究発表をする姿から私たちの身の回りのことを普段の生活の中にあるものや出来事を発見して、解明して、かつようすることが目的で、私が学校でしている勉強はそのための知識や技能をみにつけるための一つの手段でしかなく、大学で行われている未知のことを相手にした研究とは違うんだと分かった。研修の前にインターネットや本で調べてわかったつもりでいても実際に目で見ると分からないことや矛盾がたくさん生まれた。そのことを質問したくても根本的なこと過ぎて聞きづらかたったりわからないことが分からない状態に陥ったりして全然質問できなかったことが悔しい。(中略)先月の十六夜セミナーで「なぜ難関大を目指すのか」という講義があったが、その意味が痛感できたし、より深く難関大に行きたいと思った。津山高校の先輩は各分野で活躍されていて、薄々思っていたけど、津山高校って環境も人も恵まれた場所なんだ。津山高校に入学してもう夏休みが終わろうとしていてあっという間だったけど、中身がとても濃くて充実している津山高校の生活みたいな3日間だった。