令和元年度 ライフサイエンス研修

理数科1年生(希望者25名)は,8月7~8日に理数科ライフサイエンス研修を行いました。この研修は,福山大学生命工学部生物工学科と連携し,2日間で生物・化学分野に係る専門的な実験・実習・講義を行うものです。福山大学生命工学部の秦野琢之教授(本校卒業生),太田雅也教授の2名の先生方と,2名の大学院生の方にご指導いただき,充実した研修を行うことができました。

福山大学に到着後,まず秦野先生による「生命科学(ライフサイエンス)」についての講義を聴講しました。本校の校訓である「畏天敬人」の秦野先生自身による意味の解釈や,生命科学は人間生活における幅広い分野で関連があるなど,熱意のある講義をしていただきました。最初は緊張していた生徒達も,遺伝子組み換え技術の利用など生命科学に関する深い内容にどんどん惹き込まれて,積極的に質問をするようになっていました。

午後からは実習です。太田先生に,定量法の基礎や吸光度計の使い方などを丁寧に指導していただき,ソモギー・ネルソン法による還元糖の検量線作成を行いました。基本的な実験器具の使い方や,正確に糖水溶液を作成する技術,糖量と吸光度の関係,検量線の作成に関して学習することができました。

2日目は,まず,グルコース水溶液とマルトース水溶液で,検量線に違いが出ることの考察も行いました。

作図した検量線を投影し、グループ代表者がわかりやすく説明しました。次、メインであるグリコーゲンの酸加水分解に関する実験です。それぞれのグリコーゲン水溶液を一定時間加水分解させ,比色定量を行いました。生徒は昨日よりも実験操作が上達しており,集中して実験を行っていました。不思議な点や疑問点があればすぐに先生や大学院生に質問したり,グラフの形や数値の読み取り方などにもグループ内で議論し合う姿勢も見られるようになりました。

今回の研修では,2日間を通してじっくり実習を行うという貴重な経験ができました。普段の学校生活において,2日間まるまる実習のことだけを考えることはありません。今回の研修で,大学の研究とは何なのか,実験結果からどのように考察を進めていくべきなのかなど,高度な内容の体験ができました。この経験を,10月から始まるテーマ別研究,2年次での課題研究に繋げて欲しいと思います。

生徒感想(抜粋)

・ライフサイエンスは色々な分野につながっていることがわかった。生命科学の話を聞いて、特に下水の中のトイレットペーパーからアルコール燃料を作ることができるという話が印象に残った。メスピペットを口で吸って使用するということも初めて知りました。

・実験の結果から理由を考え、答えらしきものが見つかったときにはうれしかった。

・2日目の方が実験操作はスムーズだった。実験の技術は経験を積むことで向上することがわかった。体積や時間の少しの計り間違いで実験結果が大きく変わってしまうので、正確な操作と実験操作の形を身に付けなければならない。

 ・比色定量法は面白い実験だった。吸収された光の量で濃度がわかり、物質の質量まで計算できることに驚いた。途中の操作で時間がずれたりすると、どんどん結果がずれていく。

 ・単糖類が集結した多糖類が還元性を示さないことも不思議だった。糖の構造についてもっと詳しく勉強したいと思いました。

 ・大学で使われている実験器具を使わせていただいたり、大学の先生方のお話を聞けたりなど、普段できない体験をさせていただいた。実験ではあわてることが多く、思うような結果が出なかったので、困りましたが、太田先生から「どこがおかしかったのか考え、次に生かすことが大切」という話を聞き、そのことが心に残りました。

・1日目の講義では、遺伝子組み換えの現在を知ることができました。生命科学という分野はどんな仕事にも役立ちそうな学問でとても興味深く聞けました。

・実験ではミスや遅れがあったものの、糖によって反応が違うことについて分子レベルで考えることができた。

・2日目の実験で前日に疑問に思った実験結果に納得できた。正直すごく難しい内容でよくわからないこともありましたが、興味を持つことができました。今まで、関心はあってもよくわからない分野だったので、これを機にもっといろいろな分野に興味を持ち、勉強した内容を課題研究につなげたいと思っています。

 ・講義ではとても興味深いことばかり教えていただきました。生命科学とは人間中心の考え方ということに納得しました。人間が生活しやすい環境をまず考えるからだろうと思います。廃油から飛行機を飛ばす燃料を作るという考えには驚きました。これらすべてに関わる微生物の重要性がよくわかりました。

 ・実験では予想と違った結果が出てもその結果を消さずに、何回も実験をして、違う結果が出た理由を考えるように言われました。これは研究をするうえでとても大切なことと思いますので、これから課題研究をする時に覚えておこうと思います。