「ナチュラルサイエンスⅠ・Ⅱ」第2回ワークショップ

  ナチュラルサイエンスⅠ・Ⅱ(高校2,3年次生対象)の第2回ワークショップを2019年6月29日(土)に行いました。
 今回のワークショップには、高知県立大学文化学部 大村誠 教授をお迎えしました。大村先生は、本校のSSH運営指導委員でもあります。 「地球科学と防災科学」について, 前半は,研究者になるまでの道のりを地球科学研究の概要とともに講義していただきました。後半は,防災に関する学問について,自然科学における観測データの可視化,フィールド調査の重要性だけではなく,政策や心理学などの社会科学との文理融合の重要性についての講義もあり,学校設定科目ナチュラスサイエンスで身につけるべきVisionとして,多面的・多角的な視点や,学問的な広い視野を得る機会となりました。

○生徒の感想(抜粋)
・防災といっても,多岐にわたる学問が支え合っているということが理解でき,自分が防災に関して活躍できそうな分野について興味を持つことができた。これまで研究したいと思っていた分野に匹敵する興味深い研究分野を発見できたことが大きな収穫であった。私は理系の研究だけではなく,心理や行動にも少し興味を持っており防災には自分の興味を生かせると思った。もちろん,研究する側の立場になるだけではなく,昨年の豪雨で岡山が安全だと限らないことも実感しているので,日頃からの備えはもちろん先生がおっしゃっていた何気ない毎日を大切にしたい。


・災害は身近なものでありながら自分は大丈夫だろうという油断が起きやすいものです。だからこそ悲しい思いをする人を減らしたいものです。防災を学問としてとらえたとき,文系と理系の協力が不可欠だという話が印象に残っています。元々私は文系理系を問わず両分野が好きで垣根を越えてしまえと思っていたので,防災という学問に非常に興味を惹かれました。


・ニュースで簡単に数字や単文で表示される警告は,多くのデータから可能な限り予測された多くの専門家からのメッセージであることがわかった。しかし,その警告に従う人や従わない人もいる。地震発生などの予知が難しい現状の中であっても,想定される範囲内で最大限のことを行えば失うものは少なくなるが,そこには時間と労力とお金がかかるのも事実であり,課題は残り続けることを痛感した。文理融合の話も印象に残っており,文理を分けた教育と分けない教育のどちらがよいかも難しい課題だと思った。専門家だけでなくすべての人がどこまで本気になれるのかは簡単なようで複雑な課題だと感じた。


・防災の分野に対する考え方が一新された。今まではただ漠然と一人一人が備えるというイメージが強かったが,国や地方公共団体の取り組みについて事前学習で知ることができた。大村先生の講義で最も心に残ったのは「防災とは被災後日常的な生活の幸せに戻れた点,そこまで先を見据える」ということだ,命を守ることだけではなく,復旧,次への備えまでを考えて様々な分野が連携しなければならないということに防災の本質を感じた。また,防災における心理学の面での研究のお話も聞いてみたかった。


・以前は,防災→気象や天体→自然→理系!といった具合に短絡化して考えていましたが,先生の講義を聴いて,政策やコミュニティといった文系に関わる研究分野からのアプローチも可能だなと,驚かされました。文理融合が大事であるという言葉の意味を再確認しました。しかし,どうして長い間,文理が区分されたまま教育が行われているのかが気になり始めました。理由はあるのだと思いますが,文理が融合したり区分されたり,将来には教育も変わっていくのだろう。


・原子力の井上先生の講義と大村先生の今回の講義を通して,私は現状認識と将来へのビジョンに関して,科学者と政治家にずれがあると感じました。このずれが災害の被害につながったりするので,大村先生が言われた文系と理系の密接な連携が必要なんだと思います。地球科学とは,理系と文系科目を学ぶ必要がある科学だと知りました。自らの進路を考えるよい機会ともなりました。