H30 ライフサイエンス研修

理数科1年生(希望者17名)は,8月8~9日に理数科ライフサイエンス研修を行いました。この研修は,福山大学生命工学部生物工学科と連携し,2日間で生物・化学分野に係る専門的な実験・実習・講義を行うものです。福山大学生命工学部の秦野琢之教授(本校卒業生),太田雅也教授の2名の先生方と,4名の大学院生の方にご指導いただき,充実した研修を行うことができました。

福山大学に到着後,まず秦野先生による「生命科学(ライフサイエンス)」についての講義を聴講しました。本校の校訓である「畏天敬人」の秦野先生自身による意味の解釈や,生命科学は人間生活における幅広い分野で関連があるなど,熱意のある講義をしていただきました。最初は緊張していた生徒達も,遺伝子組み換え技術の利用など生命科学に関する深い内容にどんどん惹き込まれて,積極的に質問をするようになっていました。

午後からは実習です。太田先生に,定量法の基礎や吸光度計の使い方などを丁寧に指導していただき,ソモギー・ネルソン法による還元糖の検量線作成を行いました。基本的な実験器具の使い方や,正確に糖水溶液を作成する技術,糖量と吸光度の関係,検量線の作成に関して学習することができました。

2日目は,まず,グルコース水溶液とマルトース水溶液で,検量線に違いが出ることの考察も行いました。

作図した検量線を投影し、グループ代表者がわかりやすく説明しました。次、メインであるグリコーゲンの酸加水分解に関する実験です。それぞれのグリコーゲン水溶液を一定時間加水分解させ,比色定量を行いました。生徒は昨日よりも実験操作が上達しており,集中して実験を行っていました。不思議な点や疑問点があればすぐに先生や大学院生に質問したり,グラフの形や数値の読み取り方などにもグループ内で議論し合う姿勢も見られるようになりました。

最後に,2日間お世話になりました福山大学の秦野先生と,研究棟をバックに集合写真を撮りました。

今回の研修では,2日間を通してじっくり実習を行うという貴重な経験ができました。普段の学校生活において,2日間まるまる実習のことだけを考えることはありません。今回の研修で,大学の研究とは何なのか,実験結果からどのように考察を進めていくべきなのかなど,高度な内容の体験ができました。この経験を,10月から始まるテーマ別研究,2年次での課題研究に繋げて欲しいと思います。

 

≪生徒の感想≫

・多くの体験ができ、充実した研修でした。科学技術の使用方法をよく考えて行動することの大切さや実験での手順をきちんと確認して行うこと、ピペッターの使用方法など多くのことを学ぶことができました。遺伝子組み換えの長所や短所があることを学ぶことができました。遺伝子組み換えは自然界に大きな影響を与えるかもしれないので、よく考えて使用すべきだと思いました。 (男子)

・秦野先生から生物工学とはどのような学問かを学ぶことができた。ライフサイエンスは生物のことだけだと思っていたが、幅広く、限りのない学問だと知り、驚いた。DNA操作で拒絶反応が起きないのは、キャベツを食べても口の中がキャベツにはならないという例え話は面白かった。本格的な実験にも初挑戦し、成功してよかった。 (男子)

・バラ戦争の話が印象に残っている。不可能の代名詞と言われていた「青いバラ」の話がとても印象に残った。遺伝子組み換えの技術は良いことばかりではないのだと知った。物体そのものを変えてしまうのは本当に良いことなのだろうかと考えさせられた。秦野先生の「生きていること」と「死んでいること」はどういうことなのか、一生の宿題として考えていきたい。 (女子)

・「ライフサイエンス」は理系・文系を超越した存在であることがわかった。「人類にとって有用」ではなく、「地球にとって有用」なものを見出すことが、「ライフサイエンス」の考えであるということも理解できた。ソモギー・ネルソン法をつかった実験は、普段できないものであり、スムーズにできたので楽しかった。何故、グルコースよりマルトースの方が、吸光度が低いのかを考えるのは難しかったが、わかりはじめると面白かった。 (女子)

・高校では使えない実験器具や装置を使わせていただいた上、私たちが理解できるよう丁寧に実験の説明やグラフを書くときの工夫を教えてくださったので、本当に貴重な体験ができました。理数科でしか味わうことのできない質の高い研修で、理数科を選んでよかったと思えました。今回身につけたことと学んだことを様々なところで生かしたいと思います。 (女子)